外遊び・自然体験のすすめ

子どもの頃、祖母の家の近くの山によく遊びに行った。春から梅雨にかけての夕刻、川のせせらぎで光を発しながら飛び回る蛍。子ども心に「きれいだな」と思い、必死になって捕まえた。夏休みには、昆虫界の英雄であるカブト虫とクワガタ虫の捕獲。夜中に母親とクヌギの木に蜂蜜を塗り、翌朝早くから探しに行った。蜂蜜を塗った木には、奇妙な虫が殺到しており、お目当てのカブト虫はなかなか見つからない。母親が「見ときや」と言いながら木を蹴っ飛ばす。黒いものがポツポツと落ちてくる。クワガタ虫だ。あの時の嬉しさは今でも覚えている。蝉のさなぎが羽化する瞬間にも遭遇した。神秘的だ。秋になると、夕焼け空に映える赤とんぼ。辺り一面を真っ赤に染めていた。立ち入り禁止の溜め池に、友達とザリガニ釣りにも行った。冷蔵庫から竹輪を持ち出し、木の枝に糸を括り付け、釣り竿を作った。誤って、池に落ちたこともあったが、失敗して初めて分かることもあった。

皆さんは、子どもの頃、このような経験をしたことはありませんか。幼年期に、祖母の家で育てられた私は、もっぱら虫捕りが中心でしたが、その経験から色んなことを学びました。虫の音色、草木や土の香り、風の感触など自然界に棲む生物と五感を通じて対話することにより、感性を磨き、生活の知恵を身につけ、命の偉大さや儚さを知ることもできました。自然との対話は人との対話を促進し、自然との絆は人との絆を深めてくれました。かつては、子どもの頃から外遊びを通じて、自然と対話する機会が多々ありましたが、近年は科学の進歩とともに人工的な日常生活が当たり前になってしまいました。あの頃に見た蛍や赤とんぼの美しい情景は何処へ行ってしまったのでしょうか。今でも童心に帰してくれるカブト虫やクワガタ虫には何処に行けば会えるのでしょうか。

 近年、問題になっている人間関係が希薄な子ども達を生み出したのは、森林を伐採し、人工的な社会を作った私たち大人です。現代の人工社会に生きる子ども達に、自然に棲む偉大な命との対話を通じ、あの頃経験した“楽しさ”や“恐さ”、“興奮”、“感動”を伝えていくことは、私たち大人の責務ではないでしょうか。そのためにも、子ども達の心と身体を育む基地として、改めて外遊びや自然体験の持つ力を見直し、その中で、子ども達が「生きる力」を育むことのできる環境構築が求められています。フィールドオブドリームズは、このような外遊びや自然体験、スポーツ体験機会を提供していくことと、パパママコーチのサポートを通じて、子ども達の「生きる力」を育んでいきます。

2011.9.5 スポーツライフスキルマスターコーチ/山羽教文